6月になると、ジメジメとして梅雨の時期がやってきますね。憂鬱なイメージを持っている人も多いと思いますが、梅雨には別の言い方があり、言い方が変わるだけでイメージがガラッと変わるのです。日本には、そんな梅雨の憂鬱な印象を変えてくれる素敵な言葉がたくさんあります。そこで今回は、梅雨の別の言い方をご紹介していきたいと思います。
五月雨(さみだれ)
まず1つ目は、五月雨(さみだれ)です。
五月雨(さみだれ)は、梅雨の別の言い方としては有名で、「五月」という言葉が加わることで憂鬱なイメージが変わりますよね。
五月雨(さみだれ)は、陰暦の5月頃に降る長雨の事を指します。
黄梅の雨(こうばいの雨)
2つ目は、黄梅の雨(こうばいの雨)です。
黄梅の雨(こうばいの雨)は、梅の実が黄色く熟する頃に降る雨の事を指します。
「梅雨」自体にも「梅」という字が入っていますが、ちょうど梅雨の時期というのは「梅の実」の色が変化する時期で、雨のおかげで梅が熟すという風流を感じられる響きになりますよね。
麦雨(ばくう)
3つ目は、麦雨(ばくう)です。
麦雨(ばくう)は、麦が熟する頃に降る雨の事で、こちらも梅雨の別の言い方として有名です。
麦が熟し、収穫の目安である黄金色になる季節を「麦秋」と呼びますが、麦秋は5月下旬～6月中旬頃を指します。
梅雨の別の言い方と共に、俳句の世界では夏の季語として扱われる言葉でもあります。
走り梅雨(はしりづゆ)
4つ目は、走り梅雨(はしりづゆ)です。
走り梅雨(はしりづゆ)は、梅雨の前触れ付近の時期を表現する言い方で、天気がぐずつくことを指します。
走り梅雨(はしりづゆ)は、「迎え梅雨」や「梅雨の走り」という別の言い方もされる事があり、梅雨本番を迎える頃の時期を表現しています。
入梅(にゅうばい)
5つ目は、入梅(にゅうばい)です。
入梅(にゅうばい)は、字の通り梅雨に入る時期の事を指し、季節の移り変わりの時期をイメージする時に使われる別の言い方です。
立春から数えて135日目の事も「入梅」と呼び、暦の上では梅雨の事を指します。
送り梅雨(おくりづゆ)
6つ目は、送り梅雨(おくりづゆ)です。
送り梅雨(おくりづゆ)は、主に梅雨明け間近に降る雨の事を指し、この時期は集中豪雨が多い事が特徴です。
送り梅雨(おくりづゆ)が訪れると、長いジメッとした梅雨明けが目前となります。
空梅雨(からつゆ)
そして7つ目は、空梅雨(からつゆ)です。
空梅雨(からつゆ)は、梅雨の中でも雨量が極端に少ない梅雨の事を指す別の言い方です。
梅雨の別の言い方である空梅雨(からつゆ)ですが、空梅雨(からつゆ)にもさらに別の言い方があります。
「早梅雨(ひでりづゆ)」や「照り梅雨(てりつゆ)」などが挙げられ、あまり雨が降らない梅雨の別の言い方として有名です。
陽性梅雨(ようせいばいう)
8つ目は、陽性梅雨(ようせいばいう)です。
陽性梅雨(ようせいばいう)は、短期間に激しく雨が降り、降らない時はすっきり晴れるタイプの梅雨の別の言い方です。
主に、西日本で多く見られる梅雨のタイプで、スコールのような揚げしい雨が降る時に使われる言い方です。
陰性梅雨(いんせいばいう)
9つ目は、陰性梅雨(いんせいばいう)です。
陰性梅雨(いんせいばいう)は、弱い雨がしとしとと降り続くタイプの梅雨の時に使われる別の言い方です。
陰性梅雨(いんせいばいう)は、主に東日本に多い梅雨のタイプで、やみそうにない雨がずっと続く時に使われる言い方です。
地域による梅雨の別の言い方
では次に、地域による梅雨の別の言い方をご紹介していきたいと思います。
ここでは、鹿児島や沖縄地方での梅雨の別の言い方を見ていきましょう。
特徴的な言い方なので、面白いですね。
・鹿児島県奄美群島：ながし
・鹿児島県大島郡喜界島：なーみっさ
・沖縄：小満芒種(しょうまんぼうしゅ)、芒種雨(ぼうしゅあめ)
国による梅雨の別の言い方
では最後に、国による梅雨の別の言い方をご紹介していきたいと思います。
そもそも「梅雨」の語源は中国だと言われています。
そのため、中国や韓国では梅雨の別の言い方があります。
・中国：黄梅雨(ファンメイユー)
・韓国：チャンマ
まとめ
さて今回は、梅雨の別の言い方についてご紹介してきました。
日本語には、梅雨の情景を様々な角度から表現した言葉があり、言葉が違うだけで梅雨の憂鬱なイメージがガラッと変わりますよね。どんよりとした天気が続く梅雨の時期でも、こうした別の言い方で楽しんでみるのもおすすめですよ。
