このような長雨の時期を梅雨と呼び、気象庁の発表によって梅雨入りと梅雨明けが毎年決まります。
みなさんは、この長い雨が降る梅雨が明けるのは、どのような仕組みやメカニズムなのかご存知でしょうか?
梅雨で雨が降り明けるのには、梅雨前線という前線が関係していて、梅雨前線が発生する仕組みやメカニズムによって、梅雨明けの時期が決まってくるのです。
そこで今回は、梅雨明けの仕組みや梅雨前線が発生するメカニズムなどを解説していきたいと思います。それでは早速、そもそも梅雨明けとはどのような事を言うのかについて解説していきましょう。
梅雨明けとは?
梅雨明けとは、その名の通り、梅雨の期間が終わることを指す言葉です。
「つゆ」「ばいう」という2種類の読み方があり、梅雨明けに関しては1週間程度の天気予報に基づいて各地の地方予報中枢官署が発表します。
天候の条件によって、梅雨明けが特定の日にちが付かない年もあり、様々な気象状況を考慮した上で、気象庁の予報部によって予測され発表されます。
しかし、気象学的には梅雨明けは7月中旬頃とされていて、陰暦では夏至のあとの庚(かのえ)の日とされています。
このように、梅雨明けの定義ははっきり決まっていない部分が多いのが現状のようですね。
気象庁の予報部は過去のデータをもとに梅雨明けを予測しますが、最終的には主観が入るというの多いでしょう。
梅雨明けを左右する梅雨前線の仕組み
それでは次に、梅雨明けを左右する梅雨前線の仕組みを解説していきたいと思います。
梅雨前線は、停滞前線の一種と言われています。
梅雨前線は、冷たい空気と暖かい空気がぶつかり合う事で発生します。
移動速度が遅く、時間をかけて移動し、5月上旬から8月上旬にわたって、活動が活発化する前線なのです。
梅雨前線が発生する仕組みとしては、2つの異なる気団がぶつかり合う事で発生します。
この時、ぶつかり合う気団の事を、それぞれ冷たい空気のかたまりの気団を「寒気」と呼び、暖かな気団を「暖気」と呼びます。
そして、梅雨前線が発生している地域は悪天候になるのです。
梅雨前線は、梅雨明け後の8月上旬になると、東北北部や北海道南部の辺りで消滅します。
梅雨前線は、比較的穏やかで雨期が長いという特徴もあり、発生初期よりも梅雨明け後の消滅する前の方が、活動が活発になる傾向があります。
梅雨明けに関係する梅雨前線の性質
では次に、梅雨明けに関係する梅雨前線の性質をご紹介していきたいと思います。
梅雨明けの日にちが特定しにくい原因として挙げられるのが、梅雨前線の勢いが不安定だからという点です。
これは、梅雨前線の性質によるものが大きく影響しています。
梅雨前線は、寒気や台風などが発生すると動きが活発になる特徴があるのです。
この時発生した積乱雲によって、強い雨雲や豪雨を発生させます。
このように梅雨前線は、低気圧が近づくことで不安定なバランスになり、雨の降り方が決まる性質があるのです。
梅雨明けの仕組みには台風が関係している?
さてここまでで、梅雨明けには梅雨前線が大きく関わっていると解説してきました。
しかし、梅雨明けの仕組みには梅雨前線だけが関係しているのではありません。
実は台風も梅雨明けには関係しているのです。
ここでは、梅雨明けと関係しているもう1つの要因である、台風との関係性について解説していきたいと思います。
まず、台風があまり発生しない年というのは、梅雨明けが遅れると言われています。
これは、台風が発生しないと熱帯の真夏の空気が北へ広がらず、梅雨が明けにくいという仕組みによるものです。
台風は、梅雨明けを左右する熱帯の空気で出来ていて、中心の風速が17.2m以上あるので、梅雨前線を押し出す役割があります。
このように、台風が平年並みに発生した年は、梅雨明けも例年通りの予想になるのに対し、台風があまり発生しない年は梅雨明けが遅れるというメカニズムになっているのです。
梅雨明けは日本だけ?
そもそも梅雨自体が、日本をはじめ中国や韓国などの東アジアの地域だけに見られる気象現象と言われています。
梅雨に入る時期は、日本の中でも地域によって異なりますが、梅雨明けまでの期間は、関東地方で約40日前後、九州地方で約43日前後となっています。
まとめ
さて今回は、梅雨明けの仕組みや梅雨明けに関係する梅雨前線のメカニズムについて解説してきました。
日本では、毎年6月~7月中旬頃まで雨の降る時期が続き、すっきりしない期間があります。
梅雨明けは、気象庁と各地方の気象台などの予報などをもとに判断されますが、気象条件が不安定な年などは梅雨明けの発表後に梅雨明けの日付を修正する事もあります。
それだけ、梅雨明けの仕組みはその年によって違いがあり、予測するのが難しいと言えるのです。