これからメダカを飼育しようと考えている方にとって、悩みの1つとなり得るのが“水”です。水道水で良いのか?それとも近所の川や池の水を汲んできた方が良いのか?はたまたミネラルウォーターのような飲料水を使用すべきなのか?など、メダカを飼い始める準備をしている方が疑問に思うのは自然なことではないでしょうか。今回は、メダカの飼育と水に関するお話をしていきたいと思います。
メダカに適した水質とは?
メダカ飼育水 ph値
メダカを飼育するのに適した水の性質をご紹介します。
- 弱酸性〜弱アルカリ性(pH 6.5〜7.5)であること
- 軟水〜中程度の硬水であり、有機物を適度に含んでいること
- 浄水、消毒処理における薬品や重金属等を極力含んでいないこと
- メダカにとって有害な病原体や害虫を含んでいないこと
少々難しい表現になってしまいますが、このような条件をできるだけ満たした水をメダカ飼育に使用することが望ましいと考えられます。
“できるだけ”というのも、メダカは日本全国さまざまな水域に生息しているように、環境に適応する能力が高いとされます。
そのため、時間をかけて慣らすことでpH 7.5以上のアルカリ性環境や、中程度以上の硬水であっても生活することができます。ただ、これらの水質はメダカの体に負担をかけることになるため、可能な限り適した条件の水を用意すると良いでしょう。
それでは、これらの条件を踏まえてそれぞれの水のメリットとデメリットを確認していきます。
水道水のメリット・デメリット
水道水は、浄水場で処理され、上水道から配水される水のことです。
どの家庭であっても身近に存在し、かつ手軽に手に入ることが水道水の最大のメリットと言えます。
いつでも清潔な状態で使用することができるため、水槽内の水を入れ替える際も準備に手間がかからないでしょう。
また、日本の水道水は概ね安定した性質が保たれていることもメリットと考えられます。
しかし、デメリットとしては、浄水や消毒を受ける段階で薬品や重金属に曝されており、蛇口から出てきた段階でも多少なりともそれらが含まれている可能性があるということです。
最も有名なのはカルキ(塩素)でしょう。
水道水に含まれるカルキは、メダカにとっては毒となります。
そのため、市販されている塩素中和剤で無毒化するか、1日汲み置きすることでカルキ抜きをしたものを使用する必要があります。
また、水道水に含まれる微量な重金属によってもメダカの命が奪われてしまう可能性があり、注意が必要です。
重金属を中和・沈殿させる薬品も市販されているので合わせて準備しておきましょう。
河川水のメリット・デメリット
次に考えられるのが、川や池、湖の水です。
もともと自然界のメダカが住んでいるところの水を使用するというものです。
こうした河川水を使用するメリットとしては、微生物や濾過細菌が含まれていることが挙げられます。
餌用となる微生物が存在することで、より自然に近い形で飼育できると考えられます。
ただし、デメリットとしては河川水はやや酸性に傾く傾向にあるということ、天候の影響を受け水質が変化しやすいことなどが挙げられます。
さらに、見た目では分かりにくいですが、メダカにとって有害な病原体や害虫を含んでいる可能性もあります。
ミネラルウォーターはメダカ飼育に使用できる?
では、人間が口にする目的で市販されているミネラルウォーターはいかがでしょうか?
ミネラルウォーターに関しては、その国・地域ごとに性質が大きく異なるため、一概に使用できるか?できないか?をお答えすることは難しいです。
ただ注意しておきたいのは、一般に飲料水として流通しているミネラルウォーターの多くが中性〜アルカリ性であり、強めの硬水であるということです。
これらの特徴はメダカにとって害となり得ますので、ミネラルウォーターの使用は控えた方が無難と考えられます。
まとめ
今回は、メダカを飼育する際にどんな水を用いるべきかご紹介してきました。
やはり手軽さおよび水質の安定さから、水道水を選択される方が多いのではないでしょうか?
水道水を使用する場合は、消毒薬および重金属等の中和を忘れないよう、よく注意してくださいね。