半導体不足の原因をわかりやすく解説します!
みなさんは、半導体不足という言葉を聞いたことはありますか?
私たちの日常生活の中で、欠かすことの出来なくなったスマートフォンや家電製品など、ありとあらゆるものに搭載されているのが半導体ですが、その半導体が不足する事態に直面しているのです。
そこで今回は、半導体不足が起きた原因をわかりやすく解説していきたいと思います。
半導体とは?
それではまず、そもそも半導体とはなんなのかを解説していきましょう。
半導体とは、電流を通したり通さなかったりする物質のことを指します。
物質には、電気を通す働きのある「導体」と、電気を通さない働きのある「絶縁体」があります。
その2つの中間の性質を持っているのが半導体で、電気が通る通らないを制御できる働きがあります。
その時の環境や温度などによって、「導体」に変化したり「絶縁体」に変化したりするのです。
半導体は、直径数cm程度と非常に小さく、薄いという特徴があります。
半導体の種類
では次に、半導体にはどのような種類があるのかを解説していきたいと思います。
半導体は、主にIC(集積回路)と非ICに分けることが出来ます。
IC(集積回路)
ICとは、シリコンチップの上に従来は別々だったディスクリート(トランジスタやコンデンサなど)の機能をまとめたものを指します。
ICの中には、「メモリ」「ロジック」「マイクロ」「アナログ」という分類があります。
メモリは、半導体の回路を電気を用いて制御することを指し、データを記憶しておく役割を持っています。
ロジックは、デジタル信号をメモリから読み取って、処理をした上でメモリに書き込むという専門性の高い働きがあります。
ロジックは、情報を制御するために倫理回路で構築されています。
マイクロは、複数の機能・装置をまとめてチップ化したもので、パソコンの心臓部を構成しているものです。
そしてアナログは、アナログ信号の処理や電源・動力制御などの機能をもつものです。
非IC
次は、非ICです。
非ICには、「個別半導体」「オプトエレクトロニクス」「センサ」という分類があります。
個別半導体は、1つの機能だけを備えている単純な半導体の事を指し、別名「ディスクリート半導体」とも呼ばれています。
個別半導体は、大量生産が行われるので、仕様があらかじめ決まっており、同じ製品が多くのメーカーから製造されています。
オプトエレクトロニクスは、光工学と電子工学の技術を合わせて出来た半導体のことです。
代表的な例としては、LED(発光ダイオード)があります。
センサは、物理的・科学的な現象を電気信号やデータに変換して、出力するデバイスや装置の事を指します。
半導体不足の原因とは?
さて、このように私たちの生活と密接に関わっている半導体ですが、最近では半導体不足が心配されています。
そこでここでは、半導体不足の原因についてわかりやすく解説していきましょう。
半導体不足の原因としては、主に2つの理由が挙げられます。
新型コロナウイルスの影響による需要拡大
まず1つ目は、新型コロナウイルスの影響による需要拡大です。
新型コロナウイルスが猛威を振るう中、外出自粛が続いていた事もあり、テレワークの導入やPC・家電の需要が大きく拡大しました。
今までは、個人だけだった需要が、企業からの需要も高まり半導体不足へと繋がってしまったと考えられます。
需要の急拡大による供給体制のひっ迫
2つ目は、需要の急拡大による供給体制のひっ迫です。
現在、不足している半導体の多くは、一世代前の工場で生産されているものが多く、そのような工場は老朽化が進んでおり、大量注文に対応できなくなってしまったのです。
また、新型コロナウイルスが流行する以前は、半導体メーカーは家電やPCなどの生産ラインを増やし、車などの生産ラインは減らしていた事から、自動車向けの半導体不足も発生する事態となっているのです。
半導体不足のこれからの見通しとは?
それでは最後に、半導体不足のこれからの見通しについて解説していきましょう。
現在の所、2022年の夏ごろからは徐々に半導体不足は解消に向かうのではないかと考えられています。
多くの半導体メーカーが、製造ラインの増強を発表しており、不足している成熟プロセスの製品の工場の投資も一部では行われていると言われています。
そのため、投資した工場が稼働し始めるのが2022年の夏ごろと予想されているので、徐々に半導体不足の状況は改善されていく事でしょう。
まとめ
さて今回は、半導体不足の原因についてわかりやすく解説してみました。
半導体は、私たちの生活には欠かせないものですので、半導体不足が長引けばそれだけ私たちの生活にも影響が出ます。
新型コロナウイルスの影響によって起こった半導体不足ですが、徐々に解消されていく見通しで2022年夏ごろには解消すると言われています。