ハムスターは、その可愛さと飼いやすさから人気となっているペットです。他のペットに比べて、平均2〜3年と寿命が短いため、病気になることは少ないとされます。しかし、一度病気を発症するとすぐさま体調を崩してしまい、命に関わることもあるため、注意しなければなりません。今回は、そんなハムスターで注意したい病気を7つご紹介していきます。
不正咬合(ふせいこうごう)
- 症状
上顎と下顎の噛み合わせが悪くなり、上手にご飯を食べることができず、食べこぼしが目立ったり、痩せてしまいます。
- 原因
歯の伸び過ぎによるものが一般的です。また、ケージの金網など、硬い部分を噛む癖があるハムスターにも多く見られます。
- 治療
齧り木をゲージに入れ、歯を自然と削らせましょう。かなり進行したケースでは、動物病院で前歯をカットしてもらう必要があります。
♦齧り木の種類♦
- 細枝タイプ
- かじり木コーン タイプ
- 植物の葉や茎などを使った物・割れ松ぼっくり等
その他、色々と種類があるのでペット好みのものを選んで上げて下さい。
<結膜炎>
- 症状
目の痒みが主な症状です。目やまぶたを掻くことで赤く腫れたり、出血したりします。
- 原因
多くの場合、目を掻いた際に角膜や結膜を傷つけてしまい、細菌が侵入しています。
- 治療
動物病院で目の状態をチェックし、適切な点眼薬を処方してもらいましょう。細菌性結膜炎が疑われる場合には、抗菌剤を含んだ点眼薬が処方されます。
<ウェットテイル>
- 症状
下痢により、尻尾やお尻が茶色に汚れていたり、濡れていることで発見されます。下痢が長く続く場合には、脱水症状を呈して命に関わります。
- 原因
ストレスやご飯、寄生虫や細菌など、下痢の原因は様々です。
- 治療
うんちを持って動物病院で検査してもらいましょう。便検査の結果から、駆虫薬や抗生物質を投薬する場合があります。
<膀胱炎>
- 症状
おしっこの量や回数が増えたり、血が混じっていることがあります(血尿)。
- 原因
多くの場合、膀胱内に細菌が入り込み、増殖していることが原因です。
- 治療
おしっこを持って動物病院で検査を受けましょう。尿検査の結果、細菌性膀胱炎と診断された場合は抗生物質の投与が必要になります。
<真菌性皮膚炎>
- 症状
毛が抜けてしまったり、白いふけが多く見られるようになります。
- 原因
ケージや飼育環境で増えてしまったカビ(真菌)が原因です。
- 治療
湿った床材はこまめに交換し、風通しを良くして湿度が高くならないよう気をつけます。一般的に、健康で元気なハムスターであれば治療薬は必要ありません。
<ニキビダニ症>
- 症状
体を痒がったり、毛をむしることで脱毛が目立ちます。
- 原因
もともと皮膚に潜んでいるニキビダニが、ハムスターの全身状態が悪くなったり免疫力が低下した際に増殖して発症します。
- 治療
動物病院で皮膚の検査を受け、ニキビダニの繁殖を確認できた場合には、駆虫薬の投与が必要です。
<アレルギー性皮膚炎>
- 症状
体を痒がって赤くなったり皮膚がただれます。またアレルギー性鼻炎を併発するとくしゃみが見られることもあります。
- 原因
床材やご飯、部屋にある観葉植物やフレグランスなどにハムスターの体が過剰に反応することが原因です。
- 治療
症状が出始めた頃に新しく交換したものや、部屋の中に設置したものがあればアレルゲンかも知れません。疑わしいものは取り除き、元のものに戻して症状の変化を見てみましょう。
今回は、ハムスターの体に見つかることが多い病気を7つご紹介いたしました。特に、おうちで一緒に暮らしている方はハムスターの皮膚の変化やお顔、お尻周りの異変には気がつきやすいのではないでしょうか?いずれも放置してしまい治療が遅れると、衰弱し命に関わることがありますので、気づいた時点で動物病院へご相談することをオススメいたします。また、ハムスターの診療や治療が行える動物病院に限りがありますので、事前に近所の動物病院に確認しておくとよいでしょう。