こんにちは。「闘牌伝説アカギ」というアニメを観たので今回はそのレビューを書いていきます。
この『闘牌伝説アカギ』というアニメは麻雀がテーマとなった作品です。アカギという男の子が主人公で、ギリギリのゲームに命を懸けています。イカサマや強運によって相手に勝利する内容が多いギャンブル系のアニメ。しかしこのアカギにはそのような部分はあまりなく、どのように相手を騙し、誘導するかに重きを置いています。細やかな心理戦が描かれているため、あのシーンにはこんな隠された真実があったのか!と驚愕することがたくさんあります。
中でも印象に残ったのは、アカギ対プロ雀士・浦部との勝負です。アカギは自身の偽物と勝負する予定でしたが、その偽物は浦部に大敗してしまいます。このままいけば、偽のアカギを雇ったヤクザは大赤字…。そこでアカギはヤクザから偽のアカギの代わりとして浦部の相手を任されます。特に見応えがあったのはラストの展開で、アカギは単騎待ち、浦部は手牌14配の中から捨て駒を一つ選ぶという状況です。
重なっている配はありつつも、リーチをせず自由な配を捨てることができる浦部。しかしアカギは、浦部が単騎待ちに振り込みという予言を残してその場を去るのです。偽アカギでさえ歯が立たなかったプロ雀士である浦部が振り込むなんてありえない。けれども浦部が捨てたのはアカギの当たり配だったのです。どうしてアカギの予言通りになったのか?その理由に人生の縮図を見た気がして、とても楽しんで観ることができました。
この「闘牌伝説アカギ」の中で一番心に残ったのは、アカギが発した「奴は死ぬまで保留する」というセリフです。利己的な考えを持ち、怒りにも損得勘定を入れてしまう浦部。そしてそんな薄っぺらい浦部ではアカギを上回ることが出来ない、勝利することは不可能だという意味が込められた言葉でした。これはアカギが浦部に贈った言葉でしたが、私は自分のことにように感じました。アカギの追っかけをしているオサムもそれは同様で、妥当な所で見切り、その場の状況で態度を変えて生きているのだと。どこにでもいる普通の青年のオサムだからこそ、より私と重なって見え、「奴は死ぬまで保留する」という言葉が頭から離れませんでした。実際、私が今まで生きてきてこうした方がよかったかもと思うシーンはよくありました。しかし失敗したときのことを考えると怖く、確かな成功の予感を感じられないと不安で、いつもそれを見送ってきました。
自分自身、浦部と似たようなことをしているなと身に染みましたし、もしまた同じような状況があれば自分を信じ、思い切って決断してみよう!と学びました。
このアニメを観て「奴は死ぬまで保留する」という言葉に出会い、私は物事を判断する能力が上がったような気がします。
今までどちらかといえば優柔不断だった自分の才気をより信じるようになったというべきでしょうか。もちろんデータが十分でないのに決断してしまえば、失敗の可能性は高くなります。でもその代わり、成功したときは利益も大きい。私はいつもリスクの方が気になって、いかにそれを減らすことができるかに重きを置いてきました。
しかしそれ自体が判断を鈍らせる理由だったのです。データが増えることで失敗の可能性が分かり、その失敗を避けるためにはどうすればいいか?なども理解できます。実際に他の人の方法を真似れば、危険を抑えることができます。
ですがそれでは小さな利益しか期待は出来ず、美味しい部分も少ない。なので当然のように私生活で大きな成功を収めることができず、日々が変わることもありませんでした。
ですがこの「闘牌伝説アカギ」というアニメを観てからは、以前よりもすぐに決断をするようになったと思います。その結果、失敗は増えたけれど、それと同じくらい得られるものも増えました。そして自分に自信をもって生活できるようになりました。
大きな成功といえるものはまだ無いけれど、このアニメを観たことで私の精神は成長することができたのです。
この作品をおすすめしたいのは、イカサマが出てこないような純粋な心理戦で勝負をする漫画が気になる人です。麻雀漫画というと、主人公がピンチの時に役満で勝利したり、対戦相手も役満をテンバイしていたりとリアルではないことがよく起こります。
しかしこのアカギは違い、よくある普通の方法で相手を崖っぷちへと攻めていくのです。アカギが発した「のちの三巡を買う」」というセリフは、実際に麻雀を打つ方にお勧めしたいものです。この場面のアカギは流局時、テンバイをしているのにノーテンだと言い切り、ノーテン罰符を支払いました。
アカギはもともとリードされているにもかかわらずノーテン罰符を支払ったため、相手との差は大きく開いていきます。通常ではありえない作戦ですが、自分のデータを相手に知らせないためにアカギは、わざと配を伏せたままでいられるノーテンを主張したのです。
この展開にはとても興奮しました。この記事を読んで、アカギや麻雀に興味を持った人はぜひ観てほしい作品です。